光田健一バンド(仮)ライブ 

at 調布ginz on 2001.11.30

〜光田健一バンド(仮)の初お披露目!〜

 

 

<セットリスト>

−第一部−

M1:カルロスクエア

M2:Looking Forward

M3:きんとうんで飛べ!〜如意棒で振れ〜

M4:About You

M5:Who Is It?

M6:ローダン

 

−第ニ部−

M7:For Example

M8:Gentle Breeze

M9:Past Times

M10:師走〜ジェームス君のせわしい毎日〜

M11:弥生〜うきうき春休み〜

M12:My Treasure

 

−アンコール−

EC1:迷う夢

EC2:Such Is Life

<メンバー>

光田健一(Key)、田中豊雪(B)、

河崎真澄(Dr)、養父貴(G)

 

 

 

◆ はじめに

 

11月27日から始まった、ginz daysの企画第2弾。先に行われた弾き語りとは、趣向を変えた、フュージョンバンドによるライブ。メンバーは、いつものジェントルズでもおなじみであるが、フュージョンバンドとしての組合せでの結成。フュージョンといえば、去年9月に行われた草月ホールでのコンサートでも、数曲披露していたが、全編フュージョンというのは、健ちゃんのライブでは、初めての事と思われる(少なくとも、ここ5年の間では)。

 

このチケットも、勿論抽選で入手したもの。あえて、平日の11月30日分を選んだのも、翌日の12月1日は、外せない予定が入っていた為。会社の事を考えれば、土曜日の方が良いにこした事は無かったが、仕方なく、平日の30日を選択。平日という事もあってか、結果としてチケットを入手する事が出来、しかも、整理番号もまずまず良い。弾き語りの時は間に合えば良いという発想だったが、今回ばかりは、開場時間に間に合わなければ…と思い、会社はフレックスを利用する事に決め、17:00退社を決意。当日は、外出する事になったので、客先から直接、調布に向かう事にした。おかげで、余裕で開場時間に間に合う。この日のライブは、以前から健ちゃんのライブに来てほしいと思っていた、知り合いのドラマーと一緒に、見る事となった(やっと、彼の予定が合った)。

 

会場に向かう途中、健ちゃんとメンバーに道端で遭遇。思わず彼らを見かけた瞬間に、「あ〜!」と口にする私もなんだが、それに気付いた健ちゃんは、「おはよう!」と言う。「こんばんは」と言葉を返したが、トッキーも「おはよう!」と言ってくる(笑)。「今は、こんばんはの時間だよな」と思ったが、業界人はいつでも「おはよう」であるという事に、ふと気付いた。確かに、健ちゃんとトッキーは自然に、「おはよう!」と言っていた。

 

会場に着くと、先に着いていた連れは、健ちゃんファンの方達と、会話をしていた(笑)。なんでも、「会場がよくわからなくってさ〜。彼女達がいなかったら気付かなかったよ」と。しばらくすると、小山田さんが番号順の整列を指示し、並びの確認を行う。

 

会場に入り、より良いと思われる場所を探す。とりあえずは、テーブルがある事がポイントなので、中央2列目のテーブル席を取る。他のテーブル席で良い所が無いか探すも、この中央が現状では、ベストということになり、ここに落ちつく。席が決まれば、まずはビール。今日も、オール400円の嬉しい金額。開演まで、しばらくビール片手にくつろぐ。

 

 

◆ 第一部

 

19:05、メンバーがステージに登場。「ようこそいらっしゃいました〜!」と挨拶の後、演奏開始。1曲目は、「カルロスクエア」。軽快に演奏が始まる。楽しそうにキーボードを操る健ちゃん。ちなみに、この曲は、19歳の時に作った曲らしく、タイトルは、さっき決めたとか。健ちゃんによれば、「カルロスサンダーとスクエアに敬意って事で…」らしいが。1曲演奏した後は、MC。言ってみれば、1曲目は、ご挨拶という感じなのかもしれない。最初のMCは、メンバー紹介からスタート。「仲は良い様に見えてまあまあです(笑)」と、コメントする健ちゃん。それぞれのメンバーのトークも見物。また、「スタレビのコメントがもらえて(健ちゃんが辞めた事に対しての)本当に嬉しい」とも、言っていた。

 

2曲目は、養父さんの曲で、「Looking Forward」。ステージのメンバーは、譜面を見ながらではあるが、非常に楽しそうに演奏をしている(ように見える)。特に健ちゃんは、笑顔で鍵盤を捌く。ステージ背面の鏡にも、うきうきしている様子が映っている。

 

2曲目の後も、またもやMC。「4人きりでの演奏は初めて。3日くらい練習したんだけど、練習って言うのは、いくらやっても旨くならないよねぇ。本当は、譜面を見なくても出来るくらいが良いんだけど。ま、譜面なんて有って無いようなものかもしれないんだけど…。どこに行くんだか分かりませんねぇ。どうなることやら」と、話す健ちゃん。バンド名も無いので、公募します!とも言っていた。O型とB型で、「OBズ」、「BOズ」というのも考えたらしいが、「出来たばっかりで、『OB』っていうのも無いよねぇ」となり、公募します!の発言につながった。そういえば、「気の利いたお喋りが出来なくて…。ま、気の利いたお喋りなんていらないって言えばいらないんだけど」と、健ちゃんは言っていたが、お喋りの回転まで頭を回す余裕は、いつもより少なかったという事かもしれない。次曲の紹介も、トークに盛り込まれていた。ちょうどその紹介をする時に、「オーバーハイム」が、「キーン」という音を発していて、「オーバーハイム」について振れる。アナログの楽器で、ドイツ製と言っていかたと思う。連れのドラマー曰く、「あれは、高いんだよ〜(値段が)」。健ちゃんは、この楽器がお気に入りらしい。多分、古いと思う。ちょっと話はそれたが、「次に演奏するのは、23、4歳に作った曲で、日本のメロディーをフュージョンに取り入れられないかなって実験していた時のもの」と健ちゃんは紹介。タイトルを健ちゃんが口にすると、軽く笑いが起きる。というのは、「きんとうんで飛べ」というタイトルだったから。「和風とか言っておきながら、きんとうんじゃ中国だよね。ちなみにこの曲には、サブタイトルがあって、「如意棒で振れ」っていうんだけど、男の人がおしっこした後の行動みたいな…。まあ、いいか(笑)」と、ちょっと、下ネタも交えつつ紹介をする。笑いを交えたMCの後、演奏スタート。上手いこと行ったら、バラードの次の曲もそのまま続けるとか。

 

「きんとうんで飛べ」は、確かにそんな感じの曲。割りと耳に残るフレーズかもしれない。そして、この曲から続いて演奏されたのが、「About You」。どうやら、上手く続けて演奏出来たようだ。この曲は、非常に好きな曲で、1998年に、永井敏巳さんのセッションライブで演奏された時から、魅力的だった。イントロから、「あ〜〜!」と、心の中が小躍り。何度聴いてもやはりこの曲は、引きこまれ度合いが違う。ギターの音もなんとも言えない。演奏後は、「すっかり、作曲者が行き忘れ」とコメントする健ちゃん。どうやら、予定段取りを間違えた模様。トッキーは、「この曲さ、FとG♭で、苦悩を表現って感じだよね」と発言。

 

Who Is It?」は、養父さんの作品。98年の正月に作ったとか。養父さん曰く、「正月になると、曲作りたくなるんだよねぇ」らしい。ちなみに、この曲のように、正月作の曲は結構あるらしい。健ちゃんは、「これさ、誰に対して誰って言ってるの?」と養父さんに訊く。「え?自分に対して」と返答の養父さん。「B型は、躁鬱激しい人多いって言うからねぇ」と健ちゃんは言っていたが、健ちゃんもB型だよなと、思ってしまった。

 

1部ラストの曲は、トッキーの曲で、「ローダン」。スクエア時代の曲。トッキーによると、このタイトルの意味は、怪獣の「ラドン」。米国では、このように発音するとか。健ちゃんは、これでオヤジギャグの披露。「考える人」の真似をして、これは?と問う。言わずと知れた、「ロダン」。客席からもちらほら回答。連れのドラマーは、「ローダンか、懐かしいなぁ〜」とつぶやいていた。

 

1部は、20:00頃終了。休憩時間は、勿論カウンターでお酒の時間(笑)。

 

 

   第二部&アンコール

 

20:30頃開始。といっても、照明が落ちる前に、メンバーがステージに登場。その時、カウンターにいたので、やり取りが見えたが、小山田さんが、「照明お願いします」と、言っている最中、健ちゃん達がステージに移動したのだ。小山田さんは、「あ〜出ちゃったよ」と、口にしていたが。そんな裏事情の中、2部の幕が開いた。

 

ステージに登場した健ちゃんは、ginzのオーナー、銀さん(小川銀士さん)の話をする。軽いトークの後、曲紹介を行い、「よし、来い!」と気合いを入れて、「For Example」。このタイトルは、さっきつけたタイトルだとか。1部と同様、1曲演奏後MC。ここでのMCは、だらだらMCと言ってもいいだろう。会場に向かう途中に健ちゃんと会ったのは、健ちゃん達が、バーミヤンに行く時だったということが、このトークで発覚。河崎さんの息子の話題も上り、楽屋トークがしばらく繰り広げられる。この時だったろうか、河崎さんがトッキーに、「今日は真澄ちゃん気合入ってるよね。この前セッションやった時(トッキー、河崎さん、養父さんのメンバーで)なんか、スティックだけ持ってきたのに。今日はドラムセット持ってきてるもん。それだけで、気合が違うよね」と、言われたのは。養父さんにも、「確かにそれだけでも気合が違うよね」と言われ、健ちゃんには、「良いドラムだよねぇ〜それ高いの?」とまで言われる(ちなみに、連れの話しによると、このドラムは高いらしい。ベースでも2〜30万だとか)。

 

Gentle Breeze」は、去年9月の草月ホールでも演奏された曲。ギターの音がかっこいい。続いては、養父さん作の、「Past Times」。この曲は最新曲らしく、今年の正月プラス1ヶ月に出来たとか(つまりは、2月)。健ちゃんは、「あ、これは正月じゃ無いの?といっても、2月だもんね」と言っていたが。この曲の後も、MC。健ちゃんは、思い出したように、「訂正です。先ほどのオーバーハイムは、ドイツ製じゃなくて、アメリカでした。ドイツっぽい名前なのにね。って言い訳(笑)」と、口にする。養父さんは、河崎さんに対して、「オヤジがたたき出す胸きゅんビート」と言ったりと、ここでも、だらだらトーク。ちなみに養父さんは、若いのに渋いギターを弾くなぁと、10年くらい前、健ちゃんに思われたらしい。ここでも忘れずに、次曲の紹介。

 

今の時期に合わせた「師走」。このサブタイトルを聞いた時に、「あ〜」と思った。これも1998年の永井敏巳さんのセッションライブで演奏された、「ジェームス君のせわしい毎日」だったから。「ジェームス君」って一体誰なのか?と、当時から思っていた曲。テンポの速い曲で、曲中に、「ひみつのアッコちゃんのテーマ」、「ピンクパンサー」、「四季」、「笑点のテーマ」等を織り交ぜていた。ちなみに、この時は、Key VS G という状況。両者が、2小節程度(ちょっと自信無いが)交互に対抗。それがだんだん、小節が短くなり、スピーディーな対決に展開。その後、リズム隊の対決に移る。健ちゃんは、鍵盤を離れ、河崎さんと、トッキーの様子を見る。割りと長めの演奏だったか(といっても、どれも通常の歌もの楽曲より長いが)。「弥生」は、先ほどの「師走」に対抗して作っちゃったという楽曲。「師走」が、上からなら(音の動きが)、「弥生」は下からなんて言う説明をしていた曲。これらの2曲は、健ちゃん曰く、「和風フュージョン」。2曲演奏後でのMCでは、今日の模様を録音していて、CDに出来たら良いなぁなんていう夢も有ると、発言する健ちゃん。そして、「ここ4日間毎日色々やってるから、何やってるんだか、良くわかんないんだよね」とも。CD化、ぜひともお願いしたいものだ。

 

本編のラストは、8分の6拍子の「My Treasure」。この曲も、去年9月の草月ホールで演奏された楽曲。演奏後、挨拶をしてステージを去るが、すぐにステージに戻る、健ちゃんと養父さん。

 

アンコールの1曲目は、「迷う夢」。ピアノの音から始まり、アコースティックギターが加わる。インストゥルメンタルのこの曲は、富山で友井さんと演奏したのを聴いたくらいで、東京で聴くのは初めて。この後、河崎さんとトッキーがステージに加わり、ステージに全員集合。健ちゃんが改めて、メンバー紹介を行う。「大変だったね。全14曲」と、コメント。初ステージというのも有り、譜面も必要な状況からも、大変だったのだろう。メンバーの近況もここで話され、ラストは、草月ホールでは歌詞有りで披露された、「Such Is Life」。今回は、インストでの演奏。あの時の早口歌詞が、なんとなく頭をよぎる。連れは、「これにどうやって歌詞が載ってくるの?」と疑問を持ったようだが。

 

14曲、全てインストゥルメンタルでの初ライブは、21:50頃終了(だったと思う)。

 

 

◆ さいごに

 

27日の時よりも早目に終わったこともあり、しばし、席にてダラダラした。アンケートも書いた。トッキーとも、久し振りに話しをした。トッキーは、「いや〜。本当に余裕無くて(今回は、歯でベースを弾く余裕は無かったらしい)。リハも、1週間前に3日間で、それ以降今日まで無いからさ。なんで、こっちの方を先にしないの(弾き語りを先に行ったから。つまりは、健ちゃん自身のスケジュールが開いていないが為、リハが直前に行えないということ)。本当はさ、譜面無しで弾きたいよね。もうちょっとしたら良くなるから。今日のCDは勘弁だよなぁ(笑)。だって、『あ〜またやっちゃった。次の曲こそは』の繰り返しだったから。ま、今回は良く来てくれるお客さんばかりということで」と、話していた。

 

健ちゃんの写真列も相変わらず。連れも交えて3名で写真を撮ろうかと思ったが、連れにあえなく断られる。今回の記念ということで、写真も撮り、会場を後にした。

 

 

◆ ちょっと感想

 

インスト一色のライブ。1998年の永井さんのセッションで、聴いた曲が全て登場(My treasure」、「師走」、「About You」)。どれも当時から好きな曲だったので、全部一度に聴けたのは、嬉しい限り。

 

演奏後や演奏中に時折見せる、「やっちゃった」的な笑み。メンバーの顔を見たり、自分に対したり。どこがおかしいのかは、勿論分からないが、そういうやり取りや仕草を見ていても、面白さを感じる。無論、このバンドとしての実績が増えれば、この種の笑みは減少するのだろうが。アイコンタクトによる演奏なども、見物である。どちらにせよ、健ちゃんもメンバーも楽しそうに(本当は大変なのかもしれないが)演奏していた。今後もこのメンバーで活動をする予定とのことなので、これからも楽しみだ。